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主夫太郎2

Author:主夫太郎2
現在専業主夫です!
漁と猟の両方を楽しんでカミさんに栄養を供給するつもりでいます。以前お料理ブログをやってましたが不評だったので猟関係を交えながら僕の日常をレポートします。

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射撃場で会ったおじさんの犬の話

2017.04.04 17:59|雑文
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は~い!

元女子高生と犬好きのみなさん!

今日は主夫太郎が聞いた

猟犬のお話しです

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

クレー射撃というのは黙って自分の射撃の順番を待ち、自分の番になったらただただクレーに反応して引き金を引き、それを25回繰り返すと1ゲームが終わります。応援する声もなければなにもない実に地味なスポーツで緊張を切らしてはいけないし、雑念があってもいけないけども、ゲームとゲームの間もそんな風に無口で緊張したままでは体がもちません。競技が寡黙なのと反比例して、控え室では結構みなさん楽しくおしゃべりをしてます。練習のときなど、中にはおしゃべりばかりで全然撃たないようなお爺ちゃんもいます。そんな人に限って「さて、それじゃちょっと撃ってこようかな」なんて出かけてゆくと25枚全部当ててきて「今日はよくあたったね」なんて言ってまたおしゃべりをしてたりします。最初は射撃場でおしゃべりするのはあんまり好きではなかったのですが、そんなお爺ちゃんをよく見るようになってから、おしゃべりをしてくれる人の話をよく聞くようにしてます。鉄砲の技術論だったり猟の話だったりと色々な話が飛び出し楽しいのですが、今日はそんなお話しの一つです。

射撃場でスキートという、クレーが横から飛び出す競技の練習をしようと思い、ある射場に平日練習に行きました。例にもれずおしゃべりを楽しそうにするおじさんが一人いて、最初は射撃の話をしてアドバイスをもらっていたのですが、だんだん猟の話になってきて、ついに射撃と関係なく楽しい猟の話に変わってゆきました。射撃場ではよくある話です。

おじさんは犬を持っている鳥撃ちを専門にやるハンターでした。奥さんも猟をするというのはびっくりでしたがドイツポインターを持っているそうで、僕は羨ましい限り。是非とも猟犬の話を聞きたいという態度が伝わったのかおじさんは少し遠くを見ながら

「最初に飼った犬はねぇ、今と同じドイツポインターでしたが、いい犬でしたよ。もうあんな犬には会えませんよ。一度飼って気に入らなければ人にあげちゃうとか捨てちゃうってことができれば沢山の犬に会えるから、もしかしたらあんな犬にまた会えるかもしれないけど、そういうことはできないでしょう?一遍に2頭飼うこともできるけど、獲物を取り合っちゃったりしていい犬にならないらしいからね。ハンターと犬は一対一でじっくり信頼関係を築くのがいいと思うなぁ。だから一生のうちに5頭も犬を飼えない、となるとあんないい犬には会えませんねぇ、きっと。」

と話を始めました。

「そんなに良い犬だったのですか?最初からやっぱり違うんですか?」

と聞いてみると意外にも、

「いやいや、最初の2年は全然猟にならなかったです。山に連れてゆくと全然言うこと聞かないんですよ。ば~って走って行っちゃってそのあと帰ってこない。最初は私は、この犬ダメなんじゃないかって思っていたくらいです。」

獲物探すより犬探す時間の方が長いなんてのもよくある話で、鳥犬だとGPSも着けないだろうから多分苦労しただろうと推測はできた。

「そいであるとき、山に連れて行ったらやっぱり帰ってこない。とうとう私は頭にきちゃいましてね、暗くなるまで待ったんですが、それでも来ないから置いてきたんですよ。」

と。また明るくなってから探そうと思ったらしいのですが、家に帰ると奥さんが戻って探しに行こうと懇願するから、仕方なく暗い中また山に入ったそうです。

「真っ暗でね。仕方ないから犬笛を吹いたらしばらくして、ガサガサッ ガサガサッって音がして、帰って来ました。あれは女房のカンがあたりましたねぇ。それっきり二度と飛んじゃうようなことはありませんでしたね。懲りたみたいでした。」

猟犬といえば血統、血統といえば生まれながらに備わったものが素晴らしく、後に訓練によって与えられるものではないというイメージがあるけどその血統の良さを引き出すのも人間の仕事なのかもしれないと思いました。2年間ずっと獲物が獲れなければダメ犬と決めつける方が普通だと思うでしょうけど、おじさんは我慢したらしいです。僕が犬を飼うときの参考にもなるなと思いました。

「3年目からは、完全に大人になりましてねぇ。本当に落ち着きました。何がすごいってねぇ、こっちに飛ばすんですよ。」

「え?こっちに飛ばすってどういうことですか?」

「雉とか山鳥を、こっちに飛ばすんですよ。だから私は犬が走ったら待っていればいいんです。」

とおじさんは少し誇らしげに言いました。犬を使った雉の猟は、犬が雉の匂いをとり追跡し追いつめて行く。たまらなくなって逃げて飛ぼうと思ったところを鉄砲を持った主人が撃つので雉は大抵は鉄砲を持った人間から遠くに逃げてゆくものです。

「簡単で楽しかったですよ。犬がいなくなってから鉄砲に弾を入れて待ってれば飛んでくるのだから。でもねぇ、私一度だけ馬鹿をしたことがあったんですよ。」

と言って僕の方に椅子を引き寄せて姿勢を正してから話を再開しました。

「いい猟犬になったなぁって思ってから一度だけその犬が私の言うことを聞かなかったことがあるんですよ。一度だけなんですがね......山鳥狙いに行ったときなんですが、その日はめずらしくうちの犬がなかなか帰って来なかったんですよ。いつものようにこちらに飛ばしてくれる様子もないから、ああ、これは山鳥はいないかなぁってあきらめたらヒョッコリその犬がヤブの中から顔をだしたんですよ。やっぱり今日はいないのかぁと思って『帰るよ!』って言ったのにそのときに限って全然こっちに寄ってこないんです。いくら呼んでもだめなんです。かと思ったら、犬がまたヤブに入っていなくなってしまいました。私も久しぶりに言うこと聞かないから怒っちゃいましてね。鉄砲から弾抜いて帰る方向に歩きだしました。そうしたら、ゴトゴト~って山鳥の羽音がしたので振り返ると、さっきまで私が立っていたところの真上を山鳥が通り過ぎたんです。」

そういっておじさんは僕の顔をみました。

「それって.....一度ワンちゃんが顔を出したのって...主人の位置を確認しに戻って来たってことですか?」

と聞くと、

「そう、そうなんです!!暫く私とはぐれていたものだから私の位置を確かめに来たんでしょう。私ねぇ、あれは私がバカでした。いや~私がバカだったんです。」

と、おじさんはバカという言葉を2度も使い口惜しさ、後悔を表現したものの懐かしさたっぷりの目でまた遠くを見ました。

「次に飼った犬はやっぱりこちらに飛ばしてくれなかったんですね。訓練の仕方とかが違ったとかではないんですか?」

と僕は聞いてみました。

「いや~あれは訓練じゃないでしょうね。犬の特性ですよ。私は何が血統で何が血統ではないかわかりませんが、もしかしたら血統もあるのかもしれません。そもそも訓練の仕様がないですからねぇ。しかし、あそこまで良い犬に最初にあたると大変でした。次に飼った犬でもやっぱり2年くらい獲れませんでしたよ。だってこっちに飛ばしてくれるものだと思ってたのに全然飛ばしてくれない。犬が匂いをとったら鉄砲に弾を入れて追いていかなきゃいけないって気づくのにしばらくかかりました。」

と言っておじさんはあははと笑いました。それで次の犬の話になるのかと思ったのですが、やっぱり最初に飼った犬が恋しくなったのかまた最初の犬のお話しを始めました。

「10年一緒にやりましたよ。ものすごい猟欲だったんですが、最後は癌でね。本当に苦しそうでした。その犬が最後に出した雉はね、撃ったら羽根がパッと散って滑空していったんですよ。それで木に止まったのだけど、そのあとポトリと落ちました。普段だったら追いかけて行くんだけど、追いかけないんです。仕方ないから私が追いかけて探すんですが、草むらの中を探しても人間の目ではなかなか探しきれない。仕方なく犬を連れてきましてね、探させたんですが、暫くすると鼻で何かをツンツンするんですよ。あれ?って思って近寄っていったら雉がいました。普段だったらちゃんと咥えて持って来てくれるんですがねぇ、よっぽど苦しかったんでしょう。でも鼻を使って雉の居場所を教えてくれました。」

と寂しそうに話ました。確かに人間でも、口を大きく開けて物をかじろうとすると息が細くなるから苦しくなります。きっとそのワンちゃんもそんな感じだったんだろうと僕は思いました。

「口を開けるのが苦しかったのでしょうねぇ。それでも主人の役にたとうとしたのでしょう。」

と僕が言うとおじさんは無言でうなずきました。

「いくら病気がすすんでも、やっぱり山には行きたいみたいなんですよ。その犬との最後の猟は、犬箱(犬を運ぶためのゲージ)に入るのも大変な状況で、山に連れて行っても最後は山を歩けませんでした。それでも山に行きたかったんですよ。もちろんそんなんじゃ山鳥も出せません。だから私は最後、鉄砲の音を聞かせてあげたんです。鉄砲の音がするってことは鳥が出たって思うじゃないですか、犬なら。そりゃ、獲物がいないのに撃ったら本当は違反ですよ。でもいいじゃないですか。『鳥がいたよ、一緒に来て鳥がいたよって』つもりでね、一発だけ聞かしてあげたんです。」

ああ、犬を愛するというのはこういう事なのかと思いました。そんなの違反のうちに入らないでしょう、と僕が言ったらおじさんも笑っていましたが本当にそんなものは法律の文言で違反であっても違反であるべきではないと思うのは鉄砲撃ちの我儘でしょうかね。

10年前、猟期真っ最中の12月18日、息を引き取ったそうです。一晩寄り添って寝てあげたそうです。

「まだ、どうしても埋められなくて、骨が仏壇の脇に置いてあるんですよ。どうしたらいいか分からなくて。手放せなくてどうしたらいいか分からない。」

とおじさんは言ってました。おじさんは最後まで犬の名前を出しませんでした。もしかしたら犬の名前を呼ぶとまた切なくなってしまうからかもしれません。僕も最後まで聞きませんでした。

犬を持たない猟をしている僕はついつい猟果に目が行ってしまいます。もちろん猟果が上がらなくても楽しい猟はありますが、つまらないときもあります。犬がいたら本当に毎回、豊かな心で猟ができるのではないかと今回のおじさんのお話しを伺って思いました。いつか僕も犬を持つのでしょうか。持てたらいいなと思うけど、まだちょっと先、東京ハンター生活が終わった後のお話しになりそうです。


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